どうも情弱です!
アステラス製薬が米国のオーデンテス・セラピューティクスを3200億円で買収すると発表しました。
この買収の狙いは、オーデンテスが開発している遺伝子治療薬のノウハウと製造能力を獲得することと見られています。
なお、こういった遺伝子治療は1990年頃から米国で始まっており、現在ではガンやHIVを対象とした臨床実験が行われています。根本療法なので、ニーズがめちゃくちゃ大きい分野になります。

アステラスは株式公開買い付け(TOB)で株主からオーデンテス社の株を取得するとのことで、買付価格は1株あたり60ドル。これは2日終値に110%のプレミアムを加えた額になります。

この記事ではアステラスによる買収を例に、TOBとは何か解説していきます。
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TOB(株式公開買付)とは何か?

「TOB わかりやすく」とかでググってもよく分からないサイトが多すぎて情弱涙目でしたいくつかのサイトを読み込んだ結果、多分こういうことだと理解しました。 FotoJet(12)

金の力で買収先の株主を懐柔するってことですね!
今回だと、アステラス製薬がオーデンテスの株主から1株60ドルで買い付けるということになります。 オーデンテスの2日終値は28.6ドルなんで、株主的には儲けもんですよね!この上乗せした31.4ドルのことを"プレミアム"といいます。
米国におけるプレミアムの相場はだいたい30~40%くらいなので、今回の110%は大盤振る舞いですね。
アステラスがいかに今回の買収に自信がある(=コストを賭けてもペイできると考えてる)かが伺えます。

また、買収する側の企業が証券会社等を通じて株を買わず、株主から買う理由はいくつかあります。
  1. TOB成立までの期間を定められる
  2. 予定数の株が手に入らなかったらTOB自体をキャンセルできる
  3. 株価の変動に左右されず一定額で買える
などなど。
時間や費用などの不確定な要素を排除して、安全に株を集められるためというのが理由としては大きいですね。


なお、買収は「合意の上」の場合と「無理やり」の2パターンがあります。 アステラスとオーデンテスは前者のようです。よかったですね!
草津町の町長はどっちなんでしょうか・・。

アステラス製薬の株価見通し

結論から言うと、買収費用3200億円が重石となり、しばらく株価上昇は難しいと考えています。
アステラス製薬はこれまでも何度かM&Aを繰り返してきていますが、今回の3200億円の買収は過去最大規模になります。武田薬品のシャイアー買収ほどではないにしろ、少なからず決算に影響はあるでしょうね。
ですが、前述の通りアステラスは今回の合併にかなり自信を持っているようです。遺伝子治療薬がアステラス製薬の売上の柱となれば、その後の株価は大いに期待が持てるでしょう。

無題


医療現場からは以上です。

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